G20財務相・中央銀行総裁の特別電話会議における ゲオルギエバIMF専務理事の発言
2020年3月31日
ワシントン DC – 本日行われたG20財務大臣・中央銀行総裁による特別電話会議において、クリスタリナ・ゲオルギエバ国際通貨基金(IMF)専務理事は次の発言を行った。
特別会議を招集してくださいましたG20議長国サウジアラビアの皆さまに御礼申し上げます。
見通し
G20の多くが、人々と経済を新型コロナウイルス感染症(COVID-19)から守るために断固たる措置をこれまでに講じられてきたことを歓迎いたします。皆さまの行動のおかげで、主要金融市場ではここ数日、ボラティリティが減少してきています。しかし、世界経済が2020年にマイナス成長となる見通しであること、また特に新興市場国や低所得国にとって景気後退が重荷となるだろうことを私たちが深く憂慮している点に変わりはありません。
2021年に予測される景気回復は、私たちがどうウイルスを封じ込めるか、また、どう不確実性を削減できるかにかかっています。
したがって、感染症対策のために医療制度の能力を強化すること、世界経済をタイムリーかつ対象を絞った協調的な施策で安定化させること、景気回復への道を開くことを目的としたG20の野心的な行動計画を私たちは支持します。
IMFの改革
そして、IMFも自らの役割を果たします。事実、先週金曜日には、危機対策強化のための改革に関して、IMFの運営委員会である国際通貨金融委員会(IMFC)から強力な指示を受けました。
とりわけ、IMFCは次の取り組みに賛同しました。
- 現在、約85か国が資金源としてIMFの緊急融資制度に頼ると表明していることを受け、制度の利用しやすさを改善する
- 加盟国の中でも最貧国のためにIMFが活動する能力を向上させる
- 外貨不足が生じている国々を支援する(その方策として例えば短期流動性枠もありえる)
また、IMFの財源について朗報がございます。
米国が新規借入取極(NAB)の信用供与額の倍増を つい先日、承認 しました。また、IMFの1兆ドルの融資能力を保持するために、新たに国別の借り入れを進めることでIMF理事会が 昨日合意 しました。
債務救済
最後になりますが、低所得国の債務問題に皆さまの注意を向けたいと思います。
IMFに対する債務返済義務からお話ししますが、大災害抑制・救済基金(CCRT)の改革をIMF理事会が 先週木曜日に承認 したとご報告できることを嬉しく思います。この改革によって、最も貧しい加盟国がIMFに債務を返済するのではなく、危機対策に投資できるようになります。CCRTへの資金支援を約束してくださったG20加盟国の皆さまに御礼申し上げるとともに、他の国々にも参加を呼びかけたいと存じます。
また、G20諸国がIMFに加盟する最貧国のさらなる債務負担軽減に早急に取り組むことを私は支持します。
世界経済が足踏み状態にある今、デイビッド・マルパス世界銀行グループ総裁と私が前回の会議で 提案 したように二国間債権国は国際開発協会(IDA)支援適格国に債務支払猶予を設けることで大きな貢献を行うことができます。
他の債権者も自らの役割を果たすことが重要であり、加盟する最貧国の今後の道筋について合意を得られるよう支援していく点において私はG20を頼りにしています。
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