IMF総務会、6,500億ドル規模という特別引出権の歴史的な配分を承認
2021年8月2日
ワシントン DC :
2021年8月2日、国際通貨基金(IMF)の総務会は国際的な流動性を促進するために、6,500億ドル相当(約4,560億SDR)の特別引出権(SDR)配分を承認した [1] 。
ゲオルギエバIMF専務理事は「これは歴史的な決定です。IMF史上最大となるSDR配分で、この未曾有の危機において世界経済にとってのカンフル剤となります。SDRの配分によって全加盟国が恩恵を受けることになり、長期的かつ世界的な準備資産の必要性に対処が行われ、信頼が構築され、世界経済の強靭性と安定性が促進されることになります。とりわけ、加盟国の中でも、コロナ禍がもたらした影響の対処に苦慮している最脆弱国にとって助けとなります」と述べた。
今回のSDR一般配分は2021年8月23日に発効することになっている。新しく創出されるSDRは、各国の既存IMFクォータ(出資割当額)に応じて各加盟国に割り当てられる。
新たに配分されるSDRのうち、約2,750億ドル(約1,930億SDR)が低所得国を含めた新興市場国・発展途上国に配分される。
ゲオルギエバ専務理事は「貧しかったり、より脆弱であったりする国々がコロナ禍から復興できるよう支援し、強靭かつ持続可能な成長を実現することを目的として、こうした国に向けて豊かな国々が任意でSDRを振り向ける方策について実現可能な選択肢を特定できるよう、加盟国諸国と今後も積極的に関与していきます」とも語った。
IMFの「貧困削減・成長トラスト(PRGT)」を通じた低所得向け融資を拡大するために、対外収支が良好な加盟国が自主的に自国のSDRを部分的に振り向ける方法が重要な選択肢のひとつとなっている。PRGTによる譲許的な支援は現在、ゼロ金利で提供されている。また、IMFは貧困国・脆弱国の復興努力を支援する方法についても、他の選択肢がないか模索している。中期的により強靭で持続可能な成長を促進するために、新たな「強靭性・持続可能性トラスト」が考慮されうる。
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