IMF、3 年間 で500 億米ドルのスタンドバイ取極につき、アルゼンチンと事務レベルで合意
2018年6月7日
アルゼンチン当局と IMF スタッフは、総額 500 億米ドル(SDR 350 億 3,790 万相当、IMF におけるアルゼンチンのクォータの約 1,110 パーセント)にのぼる 36 か月スタンドバイ取極(SBA)に関して合意に達した。この事務レベル合意は、IMF 理事会の承認を要し、同理事会は近日中にアルゼンチンの経済計画を検討する。当局側は、取極の初回分は引き出すつもりであるものの、その後はローンを予防的なものとして扱うとしている。
IMF のクリスティーヌ・ラガルド専務理事は、事務レベル合意に関し以下の声明を出した。
「この度、この合意に達したことに対しアルゼンチン当局に祝辞を述べさせていただきます。私たちが以前にも強調しましたように、これはアルゼンチン政府のものであり同政府によりデザインされたプランで、全アルゼンチン国民の利益のために経済を強化することを目的としたものです。市場の信頼を高め、長期にわたって存在するさまざまな脆弱性に取り組む時間的余裕を当局に与えることになる金融支援を提供することにより、私たちがこの努力に貢献できますことを、喜ばしく思う次第です。この支援の一環として、IMF とアルゼンチン政府は、経済改革を進めるのに伴って、国民の間で最も弱い立場にある人々を保護するために、各手順が確実に取られ、リソースが完全に利用可能であるように、共に協力し合う所存です。
政府の経済計画の中心を成しているのは、財政状況のリバランシングです。私たちはこの優先付けを完全に支持するものであり、連邦政府の赤字を削減し、プライマリー・バランスを 2020 年までに取り戻すべく、削減ペースを加速するという当局の意思を歓迎します。この施策は、最終的には政府の資金調達ニーズを減少させ、公的債務を下降軌道に乗せ、またマクリ大統領が述べられたように、アルゼンチンの重荷を軽減します。
また私たちは、アルゼンチンの経済的発展の土台をむしばみ、社会の弱者が直接的に負担することになると分かっている、インフレの引き下げ努力を一層強化することを強く支持します。こうしたわけで、私たちは、現実的で意味のあるインフレ目標値を採用するという
BCRA(アルゼンチン中央銀行)
の決定、並びに柔軟かつ市場で決定される為替レートを維持するというそのコミットメントを支持します。また私たちは、中央銀行の法的独立性および運営の自立性を確保することと、中央銀行による連邦政府赤字の財政ファイナンスを直ちに停止することへの当局のコミットメントに勇気づけられています。
当局の計画の中心を成しているのは、 アルゼンチン社会における貧困生活者やあまり裕福でない層に対する機会と支援を提供する施策を整備することです。このような優先事項の明瞭なシグナルとして、当局は社会扶助支出のレベルを維持することを確約しました。その支出を、GDP比で、今後 3 年間は減少させないことがコミットされています。加えて、社会情勢が悪化する場合には 、社会的優先事項に対する予算割当をさらに増やすとの規定があります。
最後に、とりわけ税法および社会立法における改革の導入による、アルゼンチンの男女間での活動の場を等しくする努力に対し、私は特に支持を表明いたします。これはまた、マクリ大統領がアルゼンチン主催の G20 で強調されていた議題とも一致するものです。
要するに、アルゼンチンの改革は、IMF および国際社会の支援を受けるに値するものであると確信するものであり、アルゼンチンの支援要請について IMF 理事会にて間もなく討議できることを楽しみにしております。」
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