アジア太平洋地域セミナー
アジア太平洋地域経済見通し
いかに新たな変異株の波を乗り越えるか
IMFは最新の経済見通しにおいて、感染力の高いデルタ株によるパンデミックの新たな波を受けて、2021年のアジア太平洋地域の成長率を6.5%に引き下げた一方、2022年の予想はワクチン接種率の加速を踏まえ5.7%に引き上げました。IMFアジア太平洋地域事務所(OAP)は、同地域の最新の経済見通しを紹介するウェビナーを開催しました。ウェビナーでは、報告書の中の2つの分析章についても取り上げ、ワクチン展開の決め手とワクチンが健康や経済に及ぼす影響と、貿易自由化がいかに生産性を高め危機による損失を抑えるかについても議論しました。アジアを中心に23か国から約220人以上がオンライン・セミナーに参加しました。
議題:
2021年11月10日 (日本時間) | |
11:00-11:05 am | 冒頭挨拶 |
11:05-11:25 am | 「新たな変異株の波を乗り越える:パンデミックの再来による回復の遅れ」 鷲見周久 IMFアジア太平洋地域事務所長 講演資料 |
11:25-11:40 am | 「新型コロナのワクチンによる機会を活かす:アジアからの初期の教訓(第3章)」 ヌール・トーク IMFアジア太平洋局エコノミスト 講演資料 |
11:40-11:55 am |
「貿易自由化によりアジアの成長エンジンを再起動させる(第4章)」 シッダールタ・コタリ IMFアジア太平洋局エコノミスト 講演資料 |
11:55-12:25 pm | 質疑応答 |
12:25-12:30 pm | 閉会及びアンケート |
講演者:
- 国際通貨基金(IMF)アジア太平洋地域事務所(OAP)所長。IMFワシントン本部ではアジア太平洋局(APD)等に 7 年間在籍し、その間、対フィリピン、シンガポール、ニュージーランドおよびフィジーIMF代表団を率いるなど、様々な国を担当した。また、同局の金融セクター・サーベイランスグループ代表を務め、2015 年には“The Future of Asian Finance”を出版するなど、アジア金融の将来に関するプロジェクトを主導した。IMF着任前は、財務省副財務官、理財局国庫・国債担当審議官、金融庁総務企画局参事官など日本政府で要職を歴任した。東京大学法学部卒業、米ハーバード大学にてMBAを取得。
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ヌール・トークは、IMFアジア太平洋局のエコノミストで、地域研究部門で地域開発を担当するとともに、マレーシアも担当。以前は、IMF金融資本市場局でエコノミストとして従事。調査研究の関心は、資本フローに対する新興市場国の政策対応、非伝統的な金融政策による波及効果、二国間為替レートのシステミックな変動など。慶應義塾大学で経済学の修士号と博士号を取得。
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シッダールタ・コタリは、IMFアジア太平洋局のエコノミストで、オーストラリアを担当するとともに、地域研究部門の一員としてより広範な地域開発を担当。以前は、IMF調査局及びアフリカ局でエコノミストとして従事。調査研究の関心は、マクロ経済学、開発、労働市場、不平等など。スタンフォード大学で経済学の博士号を取得。