プログラムの概要

IMFエコノミスト養成プログラムは、学生、若手研究者や社会人を対象に、IMFがどのようにファイナンシャル・プログラミングやその他の経済分析ツールを使用して、マクロ経済問題を分析し、政策提言を行っているのかを紹介することを目的としたイニシアティブです。本プログラム参加者は、宿泊型のワークショップに参加し、元IMFエコノミストによる講義や、IMFの模擬経済審査を行うグループワークを体験します。

2017年8月の初回以来、計23回開催され、53か国*から合計450人の参加者を迎えました(2025年3月現在)。同プログラムは、IMF能力開発局(ICD)が提供するIMFオンラインコースの入門コースとしての役割も果たしています。

* 本サイトにおいて、「国」という用語は、すべての場合において、国際法および国際慣行で理解される国家である領土を意味するものではありません。本用語は、国家ではない一部の領土も含みます。

内容

講義では、IMFの経済審査の概要を、ファイナンシャル・プログラミングの説明を交えて紹介します。参加者は、実際の国別経済審査及び貸付プログラムの事例について議論し、講義で紹介された経済分析ツールを活用して、各グループで独自の分析を行います。

主な対象者

英語コース:マクロ経済学、国際金融、開発経済学、その他関連分野を日本国内で学ぶ修士/博士課程の学生。若手研究者・社会人や学部生も応募できます。

日本語コース:マクロ経済学、国際金融、開発経済学、その他関連分野を日本国内で学ぶ学部生。修士課程の大学院生や若手研究者・社会人も応募できます。

ワークショップの修了者には、修了証書が付与されます。

* JISPA奨学生のみを対象としたサマー・ワークショップがこのプログラムの内容をカバーするため、選考に際してJISPA奨学生の優先順位が低くなる可能性がありますのでご留意ください。

講師

英語コース

ジェリー・シフ(PhD)
現在、ジョージ・ワシントン大学で教鞭を執る。IMFにおいて、アジア太平洋局次長をはじめとした要職を歴任。また東京大学公共政策大学院の客員教授を務める。

 


日本語コース

石井 詳悟(PhD)
IMFのコンサルタントとして活躍中。IMFでは、アジア太平洋地域事務所長を務めた他、マレーシア、シンガポール、ベトナムのIMFミッションチーフ、タイの上級駐在代表など様々な要職を歴任。


第18回(東京、英語)

1日目
13:00-
受付
13:30-14:00 アイスブレイクセッション
14:00-14:05  開会挨拶
14:05-14:45

A.IMFの役割
本セッションでは、まず国際金融システムにおけるIMFの役割について紹介します。また本部と現場における、IMFエコノミストの働き方について説明します。

14:45-16:15 B. ファイナンシャル・プログラミングI:IMFのマクロ経済的フレームワーク
本セッションでは、IMFがどのようにマクロ経済問題を分析しているのか、その概要を紹介します。IMFの金融プログラミングツールを紹介し、マクロ経済変数間の連関を理解し、賢明な予測や政策提言を行うためにどのように使用されているかを説明します。
16:15-16:30  休憩 

16:30-18:00

C. ファイナンシャル・プログラミングII:財政政策
本セッションでは、マクロ経済のリスクや脆弱性を特定し、財政政策の分野で政策提言を行う上で、ファイナンシャルプログラミングやその他のツールが果たす役割について探ります。

Day 2
9:00-11:00

D. ファイナンシャル・プログラミングIII:金融政策と金融セクター政策。
本セッションでは、金融セクターを分析するためにファイナンシャルプログラミングがどのように使われるかを説明します。また、金融政策や為替政策、マクロ金融の連動性やリスクを評価するための簡単なツールも紹介します。

11:00-11:15
休憩
11:15-12:45

E. IMF経済審査:特定国の事例研究
本セッションでは、トルコのケースを利用して、IMF経済審査の役割を説明し、ファイナンシャルプログラミングがどのように国の経済を分析するために使用されるかを説明します。特に、経済データを用いてリスクや脆弱性を特定し、政策提言を行う方法について探求します。本セッションは、参加者によるプレゼンテーションの基礎となるものです。

12:45-13:45 昼食
13:45-14:45 F. JICAによるプレゼンテーション
14:45-15:15  G. グループワークの説明
本セッションでは、グループの割り当てについて説明します。事前に配布した資料に基づき、質疑応答の機会も設けています。
15:15-18:00  H. オフィスアワー: グループ発表の準備
Day 3

9:00-10:30

I. IMF支援プログラム:特定国の事例研究
本セッションでは、IMFが支援する調整プログラムの役割とその背景となるプロセスについて議論します。スリランカの事例を基に、IMFが支援する調整プログラムの重要なコンセプトを具体的に説明し、プログラム設計で直面するトレードオフを探ります。

10:30-10:45 休憩
10:45-11:45 J. オフィスアワー: グループ発表の準備
11:45-12:45 昼食
12:45-16:00

H. グループ発表

16:00-16:30 フォトセッション・閉会挨拶/終了アンケート
16:30- レセプション

スケジュールは変更される場合がありますのでご了承ください。新型コロナウィルスの流行下では、プログラムはオンライン開催となります。

第17回 (東京、日本語)

1日目
13:00-
受付
13:30-14:00 アイスブレイクセッション
14:00-14:05 開会挨拶
14:05-14:45

A. IMFの役割

14:45-16:15
B. マクロ経済フレームワークと連動
16:15-16:30 休憩
16:30-18:00 C. ファイナンシャル・プログラミング
2日目
9:00-10:30 D. ベースラインシナリオ評価
10:30-10:45 休憩
10:45-12:15 E. マクロ経済政策
12:15-13:15
ランチ
13:15-14:45 F. 調整プログラム
14:45-15:00 休憩
15:00-16:00  G. グループワークの説明
16:00-18:00 H. グループ発表の準備
3日目
9:00-10:30 I. ケーススタディ: エジプト
10:30-10:45 Break
10:45-11:45 J. JICAによる発表
11:45-12:45 ランチ
12:45-14:15
K. グループ発表 I
14:15-14:30 休憩
14:30-16:00 L. グループ発表 II
16:00-16:30
写真撮影と閉会挨拶 / 終了アンケート
16:30-18:00 レセプション