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IMF-財務省共催フォーラム、適切な債務管理の重要性を強調

[2019年6月21日、東京] 前例のないほどの政府債務とソブリン債市場における革新によって、新たな課題が現れる中、昨日、国際通貨基金(IMF) は債務管理をめぐる課題について検討する二日間の国際フォーラムを東京で開催しました。

日本の財務省と共同開催した同フォーラムには、先進国と新興国双方を含む33か国の政府高官と民間部門の代表者が集まりました。開会挨拶では、鈴木馨祐財務副大臣が登壇、参加者が建設的な議論を行い、債務管理政策と国債市場について新たな洞察とアイデアを得られることを期待する、と述べました。

基調講演には、IMF金融顧問兼金融資本市場局長のトビアス・エイドリアンが登場。「健全な債務管理とソブリン債市場の効率的な機能は今まで以上に重要です」と述べ、世界各国から集った100人以上の参加者に語り、多くの先進国や一部の新興国では債務残高が極めて高いこと、そしてGDPに対する一般政府債務の比率が著しく上昇している点を指摘しました。

エイドリアンはさらに、市場のデジタル化、プレーヤーや手法の変化など、債権市場における様々な発展とトレンドは、すべての市場参加者に機会と挑戦をもたらすと述べました。市場が短期間で緩慢な状態から逼迫した状態に変化しうる可能性を指摘しつつ、債務管理政策はマクロな視点から重要であり、政策立案者は経済に対するこうした政策の影響を予測しなければならないと語りました。さらにソブリン債と債務管理における透明性と開かれたコミュニケーションの重要性を強調しました。

IMFと財務省が共催する同フォーラムは、今回が17回目。変容する債券市場における新たな課題と機会について、国際社会が意見交換するためのプラットフォームとなっています。

二日間に渡り、参加者は世界の債務見通し、市場アクセスに関する課題、融資の新しいトレンド、債券市場の発展について議論を交わしました。また同フォーラムは、債券市場の潜在的な緊張について再検討し、規制とテクノロジーのより構造的変化に注目しながら、有益なイノベーションを促進する方法を探りました。

次回のフォーラムは、2021年に予定されています。