2020年12月号 英語版
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マーティン・サンブー 著
パンデミックの行方はまだ不確実だが、当初の猛烈な流行からかなりの時間が経過し、そろそろ視線を上げて未来に目を向けることができるようになってきた。現在の政策の選択が、各国経済の長期的進路にどのような影響を与えるのか、また与えるべきかを考えなければならない時期が来ている。
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クリスタリナ・ゲオルギエバ 著
新型コロナ危機前、経済成長は緩慢で生産性が低く、格差が大きく、気候変動による危機が深刻していました。私たちは、これまでとは異なる方法で物事を進める将来を見据えていかなければなません。非常に大きな喫緊の課題が2つあります。大恐慌以来最悪の経済危機に対処することと、より環境にやさしく、包摂的で、活力の大きな世界を目指して前進するために行動し始めることです。
陳文婕 著
新型コロナ危機に伴う経済の急速な破壊や混乱を追跡する上では、高頻度データが重要となる。その情報は、危機が特定の集団、とりわけ女性にもたらす不釣り合いに大きな影響をほぼリアルタイムで確認することにも役立っている。
ハネス・シュバントティル・フォン・ワハター 著
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が引き起こした景気後退は、新たに雇用市場に加わる若者たちのキャリアのスタートを困難にするだけではない。もっと巡り合わせの良い時期の新卒者と比べて、所得が数十年に渡って少なく、犯罪率が高く、家庭生活の満足度も低く、寿命まで短くなるリスクがある。 パンデミックによる景気後退が来年も続く、あるいは深刻化するようなことになれば、2020年の新卒者の逸失所得はさらに膨らみ、2021年に新たに雇用市場に加わる同じように不運な若者たちも厳しい見通しに直面することになる。
アダム・ベスーディ 著
今回のパンデミック(感染症の世界的流行)は、つながりを深めた現代世界がこれまでに経験したことのない規模のもので、1億もの雇用が危険にさらされている。観光に依存する観光依存国は他の国よりも危機のマイナス影響を非常に長く被る可能性が高い。旅行・観光業にとって重要な諸サービスは対人接触が多く、今般のパンデミックから圧倒的に大きな影響を受けている。こうしたサ ービスの苦戦は大勢の人々が一斉に旅行しても安全だと感じるまで続くだろう。