2019年12月号 英語版
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デイビッド・アッテンボローとクリスティーヌ・ラガルドの対話に基づく
自然界では、すべてがつながっています。健全な自然と健全な経済についても、この点があてはまります。私たちが生命を存続させるためには、自然への配慮が欠かせません。そして、貧困の克服や、国際連合が掲げる持続可能な開発目標の達成には、健全な経済が必要です。
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ケネス・ギリンガム
科学界のコンセンサスは明白だ。干ばつ、山火事、ハリケーン、沿岸部の洪水氾濫といった自然災害の増加や深刻化は、気候変動と関係している。経済損失の規模は正確にはわからないが、きわめて甚大であることを示す有力な証拠がある。政策当局者にとって難しいのは、温室効果ガスの排出抑制策にどれだけ投資すべきか判断することだ。そのためには再生可能なエネルギー源から電気自動車まで、様々な選択肢のコストを比較できるようにする必要がある。
イアン・パリー
二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスが大気中に蓄積される速度を抑制するための努力が大規模かつ至急に実行されなければ、将来世代は温暖化がかなり進行した地球を受け継ぐことになる。気温上昇後の世界では、危険な気候事象リスク、海面上昇、自然界の破壊が見られることになるだろう。
ボブ・シミソン
ハリケーン「ドリアン」の襲来を受けて、バハマ当局は沿岸部の強靭性を高めるために詳細な計画を立てた。バハマ諸島は、2016年と2017年にも暴風雨に見舞われている。スタンフォード大学とバハマ政府の研究によれば、バハマ諸島の数百キロに及ぶ海岸林や、マングローブや岩礁や海草に対する投資は、護岸や防波堤によっては得られない防御をより低コストで提供することになる。
ラルフ・チャミ、トーマス・コジマノ、コネル・フレンカンプ、セナ・オズトサン
地球を守ることにおいて、クジラ1頭には何千本もの木々に匹敵する価値がある。科学的研究によって、人間のカーボンフットプリントが地球の生態系と私たちの暮らしを脅かすことがいよいよ明白になってきた。人間が大気圏に放出する二酸化炭素(CO2)がいわゆる温室効果を引き起こし、地球温暖化につながっている。しかし、気候変動の抑制には難しい問題がふたつある。ひとつは大気中のCO2量、あるいはそれが地球の平均気温に及ぼす影響を抑えるのに有効な方法を見つけることだ。もうひとつは見つかった方法を実行に移すための資金の手当てである。