経済成長強靭もリスク増大
アジア太平洋地域の構造変革:過去と見通し
アジア太平洋地域は過去30年間、急速な成長と発展を遂げてきた。主な要因は、労働者が農業を離れてより生産性の高い部門で働くという構造変革であった。アジアでは歴史的に、製造業への再配分が特徴的だったが、過去30年間は、雇用の創出と成長の促進の両方において、サービス業がより大きな役割を果たしてきた。サービス業は、一段と大きな役割を果たすようになり、所得も増加するであろう。しかし、より生産性の高いサービスへ確実に移行するためには、人工知能(AI)を含む新しいテクノロジーに労働者が適応することを支援するなど、必要なスキルを身につけるための教育と訓練への投資がなくてはならない。また、経済を開放し、競争やサービス貿易を促すことも重要である。人口高齢化が成長の足かせとなることは避けられない。その影響を緩和するためには、生産性を上げ労働市場参加を増やさなければならない。