アジアにおける強靭性の構築と成長の促進
2025年2月13日
大臣閣下、総裁閣下、田中理事長、三村財務官、ご列席の皆様。
第7回IMF-JICA合同会議へようこそおいで下さいました。この場にこうして参加でき大変嬉しく思います。まず、同会議を共催するJICAに、また、日本当局の多大なるご支援に、感謝申し上げます。そして、このイベントの開催に何か月も取り組んだJICAとIMFのスタッフにも感謝します。
まず良いニュースからお話しましょう。近年の度重なるショックにもかかわらず、世界経済は驚くほど強靭性を維持しています。IMFが1月に発表した世界経済見通しでは、世界経済の成長率が今年と来年に3.3%で安定的に推移するとされています。
しかし、国によって格差が広がっています。米国は、予想よりも力強い成長を遂げ、他の先進国を上回っています。対照的に、ユーロ圏の成長率は、経済の勢いの弱さとエネルギー価格の高騰により、緩慢な伸びとなるでしょう。
新興市場国の成長率予測は変わらず、今年が4.2%、来年が4.3%です。中国については、今年と来年の成長率予測をやや上方改定しました。しかし、成長は過去数年に比べて鈍化しており、現在は他の新興市場国と同程度のペースとなっています。
これらの予測は簡単に変わる可能性があります。不確実性が非常に高い状況です。世界は急速に変化しています。世界の貿易と資本の流れは変化しており、AIは急速に進歩しています。
政策当局者は機敏に行動し、強靭性の構築と成長の押し上げに焦点を当てる必要があります。これが生活水準の向上と雇用創出の鍵となります。その方法については、本日取り上げる課題の一部で話し合いますが、ここでは3つの優先事項に焦点を当てたいと思います。
第1に、生産性向上のための改革の実施です。万能のアプローチはありませんが、官僚主義を減らしたり資本市場を深化させたりなど、ビジネス環境を改善し、起業家精神を奨励する施策は重要です。また、サーベイランスを通じて、IMFは皆さまと協力して、きめ細かく調整された政策アドバイスにより、適切なアプローチを特定します。
第2の優先事項は、財政バッファーの再構築です。アジアの公的債務と債務返済比率は、特に多くの太平洋島嶼国と新興市場国で、パンデミック前の水準を大きく上回っています。適切に設計され、成長に配慮した財政再建は、債務リスクを軽減し、高齢化や気候変動などのショックや課題に対処するために必要な財政余地を生み出すことができます。IMFは、ピアツーピア学習などを通じて、この分野で有用な能力開発を提供することができます。
最後に、協力の強化です。アジア諸国が力を合わせることで、それぞれの強みを全体で活かすことができます。変化する世界でこれは、ショックや不確実性の高まりに対する緩衝材として役立ちます。
アジア諸国における、AI、デジタル接続性、クロスボーダーデジタル決済の分野での協力は急速に進んでおり、成長を大きく押し上げる可能性があります。
私からの大切なメッセージとして、もうひとつ付け加えさせてください。IMFは、引き続き国際金融のセーフティネット(GFSN)の中心的な役割を果たしています。IMFの財務を監督する副専務理事としての私の目標は、IMFが将来にわたって財務的に強固で健全であり続けるようにすることです。われわれはまた、アジアにおける地域レベルの金融取極(RFA)がGFSNの重要な要素となるよう支援することにコミットしています。
最後に、本日のセッションが、この不確実な時代を共に乗り越えていく上で、われわれの絆の強化に貢献できることを願っています。
ご清聴ありがとうございました。IMFコミュニケーション局
メディア・リレーションズ
プレスオフィサー:
電話:+1 202 623-7100Eメール: MEDIA@IMF.org