ゲオルギエバ IMF専務理事、IMFの新ジェンダー戦略を発表

2022年7月22日

ワシントン DC – 2022年7月22日 : 国際通貨基金(IMF)のクリスタリナ・ゲオルギエバ専務理事は本日、以下の声明を発表した。

「本日、理事会がIMF初となるジェンダー戦略を承認したことを発表でき、大変嬉しく思います。この戦略は、IMFのマンデートに従い、サーベイランス、能力開発、融資、というIMFの中核業務にジェンダーを組み込むことを目的としています。これは、ジェンダー格差がマクロ経済上重要なところではそれがマクロ経済に及ぼす影響を体系的に評価し、ショックや政策がもたらすジェンダー別のインパクトを測定し、マクロ経済と財政に関して個別の状況に即したきめ細かな政策助言と能力開発支援を提供することを意味しています。

本ジェンダー戦略は、この上なく時宜を得ているものといえます。それに沿って、IMFでは、加盟国が直面している変わりゆくニーズや課題、優先事項への適応を図っています。この戦略は、IMF職員がこれまでに行ってきた取り組みを土台としています。

コロナ禍や戦争などの危機によって、女性の命や生活が大きな犠牲を強いられており、気候変動や世界の脆弱性の高まりによる影響を増幅させています。こうした動きは既存のジェンダー格差を悪化させており、IMF加盟国はジェンダーに対応した施策を導入すべく自国の政策を次第に改善しつつあります。

IMF においてジェンダーを主流化することは、ジェンダー格差の縮小が経済成長の加速、経済的安定性の向上、強靭性、所得格差の是正と結びついていることを認めることから始まります。適切に設計されたマクロ経済政策や構造政策、財政政策は、効率的で包摂的な成果を支援し、女性や少女たち、そして社会一般に恩恵をもたらすことができます。

ジェンダー戦略は、以下の4つの柱を基本としています。

  • 政策分析を実施するに当たって、IMF職員が関連するジェンダー別のデータとモデリングツールを利用できるようにする。
  • マクロ経済上重要なジェンダーの側面を加盟国間で公平なアプローチに基づいて国別業務に組み込むことを確保し、支えとなる組織の内部構造を構築するために、堅牢な枠組みを整備する。
  • 知識共有とピアラーニングの恩恵を享受するために外部パートナーとの協力を強化し、補完性を活かし、現場に与える影響を最大化する。
  • 規模の経済を実現し、取り組みの重複を避けることによって、ジェンダーに配分される資源を効率的に活用する。

新戦略の実施は直ちに開始されますが、段階的に行われ、評価も行われます。この戦略の実施が成功すれば、加盟国がより包摂的で公平な経済成長と強靭性を達成する上で助けとなるでしょう。女性がうまくいっている時には、国もうまくいくのです。」

ジェンダーに関するIMFの取り組みの詳細については、「 Gender and IMF, Gender in the workforce 」をご確認ください。

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