ウクライナでの戦争に関するIMF・世界銀行グループの共同声明

2022年3月1日

ワシントン DC: 国際通貨基金(IMF)のクリスタリナ・ゲオルギエバ専務理事と世界銀行グループのデイビッド・マルパス総裁は本日、ウクライナの戦争について以下の声明を発表した。

「ウクライナでの戦争による壊滅的な人的・経済的被害について、深い衝撃と悲しみを感じています。死傷者や、避難を余儀なくされた者が出ており、ウクライナの物理的インフラに甚大な被害が及んでいます。こうしたひどい状況が展開する中、われわれはウクライナの国民を支持しています。また、紛争により、他国に重大なスピルオーバーが見られます。一次産品価格は上がっており、インフレがさらに加速するリスクがあります。この打撃は貧困層が最も感じるものです。紛争が長引けば、金融市場の混乱は悪化し続けるとみられます。ここ数日間で発表された制裁もまた、大きな経済的打撃となります。IMFと世界銀行グループは状況を精査し、適切な政策対応を国際的なパートナーと話し合っています。

両機関は協力して資金調達と政策面でウクライナを支援しており、早急に支援を強化しています。また危機対応に関して日々、当局と連絡を取り合っています。IMFは、ウクライナによるラピッド・ファイナンシング・インストルメントを通じた緊急融資の要請に応じており、早ければ来週にも理事が検討会を開く見込みです。さらに、スタンドバイ取極にも引き続き取り組んでいます。取極めの下、ウクライナは6月末までに追加で22億ドルが調達可能です。世界銀行グループでは、今後数か月で展開する30億ドルの支援パッケージを準備しています。まず、少なくとも3億5000万ドルの迅速な予算支援活動について、今週理事会に承認を得るために提出します。続いて、2億ドルの迅速な保健・教育支援を行います。このパッケージには、複数の開発パートナーからの資金が動員されます。すでに発表された多くの二国間パートナーからの支援を歓迎しています。

世界銀行とIMFは、紛争と難民による域内の他国や世界への経済・金融面の影響を精査するにあたり、引き続き協力しています。必要に応じて近隣諸国に政策や技術、資金面の支援を提供する準備ができています。リスクを抑え、今後の難局を乗り切るにあたり、国際的な協調が欠かせません。この危機は世界中の人の命や生活に影響を及ぼすものであり、われわれは全面的に支援します。」

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