第 5 回地域金融取極ハイレベル対話に関する 国際通貨基金と地域金融取極各機関の共同プレスリリース

2020年10月13日

第5回地域金融取極ハイレベル対話の文脈において、国際通貨基金(IMF)と各地の地域金融取極(RFAs)は本日、新型コロナウイルスのパンデミックがもたらしている深刻な影響を加盟国が乗り越えられるよう支援するために協力を強化する方法について議論した。今回のバーチャル会議において、IMF専務理事、G20国際金融アーキテクチャー作業部会(IFAWG)共同議長、地域金融取極6機関は各々が講じてきた主要な措置について振り返りを行うとともに、世界また域内におけるリスクを評価し、こうした課題に対策を打つためにどう協力をさらに強化するかについて議論した。上記の地域金融取極6機関とは、アラブ通貨基金、チェンマイ・イニシアティブ(CMIM)とそのサーベイランス・ユニットであるASEAN+3マクロ経済リサーチ・オフィス(AMRO)、ユーラシア安定開発基金(EFSD)、欧州委員会、欧州安定メカニズム(ESM)、ラテンアメリカ準備基金(FLAR)である。多国的な努力を共同で継続することの必要性を強調して、各機関のリーダーたちは次の声明を発表した。

IMFおよび各地の地域金融取極は、パンデミックからの経済的影響を抑えるために金融政策、金融セクター政策、財政政策における断固たる措置を同時に講じたことが安定化に寄与したと明示した。IMFを中心とし、地域金融取極が対外的な流動性や国際収支上の困難に対するバッファーを各地域内において提供している国際金融セーフティネットの諸制度は、新型コロナショックに対するこの強力かつ多層的な対応において一翼を担ってきた。IMFと各地の地域金融取極は、資金面での支援を増やし、また、加盟国への緊急支援提供を迅速に進めるために、融資方針や融資ツール、内部手順に適宜変更を加えた。

IMFはパンデミック開始後からこれまでに81か国を対象に1,000億ドルの融資支援を行ってきた。IMFによる譲許的融資が3倍になることが見込まれており、この必要性を満たすためにIMFが行った資金調達を受けて、IMF加盟国は総額210億ドルとなる資金の拠出を現在までに約束している。また、10月上旬には新型コロナ危機の影響を受けた最貧国を対象として2回目の債務救済を行っている。2020年4月15日に採択されたG20とパリクラブによる債務支払猶予イニシアティブ(DSSI)の実行を2021年への延長も含めてIMFと世界銀行は支持している。また、IMFは各国が危機当初の感染拡大防止局面から安定化、そしていずれは復興局面に移行するのにあわせて自らの融資を適応させ続けている。さらには、融資額の年次上限について行われた一時的な増額を最近、延長した。

IMFが開始した措置を補うかたちで、パンデミックの経済的な影響を各地域の域内において緩和できるように、地域金融取極は加盟国や提携国と緊密な対話を継続している。地域金融取極は多様なマンデートを持ち、各地の地域金融取極が自らのマンデートを指針として行ってきた支援には融資や社会的なグラントを通じた域内諸経済への緊急資金提供が含まれていた。地域に根差した知識・経験を活かして、地域金融取極は加盟国当局にタイムリーなリスク評価や政策提言、技術支援を提供している。さらなる資金支援を迅速に行う能力を強化するために、多くの地域金融取極が業務実施体制を強化したり、融資能力を引き上げたり、パンデミックを受けた新たな融資枠を創設したりしている。

各リーダーは世界的な見通しがわずかに改善しているものの、パンデミックはまだ収束しておらず、新たな感染の波が生じるリスクが強く懸念される点を強調した。したがって回復が長く、不確実かつ地域間や部門間で不均等なものである点には変わりがない。また、膨らんだ債務、増えた失業、拡大する格差によって経済に深刻な後遺症が残るリスクもある。こうした脆弱性の高まりが結果的に一部の国や地域における金融安定性についての懸念を増幅させかねない。

このようにリスクが高まっていることを受けて、リーダーたちは持続可能な回復を促進する上でIMFと各地の地域金融取極の間における緊密な協力が今後も不可欠であり続けると強調した。IMFと地域金融取極の各機関は、共通の加盟国が危機の影響に対処できるよう、また、安定化と回復に向けて舵を切れるように支援する上で、タイムリーな情報交換を確実に行うため、くわえて、各機関の比較優位を活かすために、緊密な協力を継続することを約束した。適切かつ実現可能な場合に、IMFと各地の地域金融取極は加盟国のニーズにこたえることを目的として共同融資の実行を促進するために協力を行う予定である。また、専門的な支援や政策助言を提供できるように準備している。

Pinky Vu Lan Huong

Public Relations Officer, AMRO

Email: vu.lanhuong@amro-asia.org

Anabela Reis

Senior Spokesperson

欧州安定メカニズム(ESM)

Email: a.reis@esm.europa.eu

Felipe Buitrago R.

Manager of Communications and Institutional Relations

ラテンアメリカ準備基金(FLAR)

Email: fbuitrago@flar.net

Gennady Vasiliev

ユーラシア安定開発基金(EFSD)

Email: Vasilyev_GA@eabr.org

Yisr Barnieh

アラブ通貨基金

Email: yisr.barnieh@amf.org.ae

Maria Candia Romano

Communications Officer

国際通貨基金(IMF)

Email: mcandiaromano@IMF.org

 
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