デビット・リプトン筆頭専務理事がIMFを退任

2020年2月7日

金曜日、国際通貨基金(IMF)のクリスタリナ・ゲオルギエバ専務理事は、IMF役員チームに変更を加えることになる文脈において、デビッド・リプトン筆頭副専務理事が2月末にIMFを退任することになると発表した。リプトン氏は、IMFにとって在職年数が最も長い筆頭副専務理事であり、その就任は2011年9月であった。

IMFにおいて幅広い業務を担当し、その担当職務には戦略、方針策定、多国間・国別でのサーベイランス(政策監視)、融資プログラムが含まれた。リプトン氏はいくつもの主要なイニシアティブを主導した。その例としては、IMFによる早期警戒演習(政策担当者が直面する現在と将来の課題に光を当てるために年2回、春季会合と年次総会の際に実施)、対外バランス評価(EBA)枠組みとその関連の対外セクター報告書(各国の対外収支と為替相場を評価)、統合的な政策枠組み(IPF)についての新たな業務(政策ツールをどのように組み合わせて活用するのが最善なのかを検討するもので、IMFのサーベイランスと影響力の向上を目標とする)が挙げられる。

ゲオルギエバ専務理事はリプトン氏の「知的リーダシップと革新的な見識」を称賛し、リプトン氏がIMF職員から、また、「IMF加盟国189か国から、尊敬を広く集めている」と述べた。ゲオルギエバ専務理事は、さらに次のように付け加えている。

「リプトン氏は過去9年間、筆頭副専務理事を務められましたが、これはIMF筆頭副専務理事の在職期間として最長となります。この期間、リプトン氏はIMF加盟国に対して、広くは世界経済に対して、素晴らしい経済的な経験と専門知識をもとに、貴重な貢献をなされてきました。IMFにおけるリプトン氏の功績を挙げると、非常に長いリストになります。簡単に言うと、リプトン氏のIMFによる分析業務をさらに厳密なものにするための努力、政策担当者としての視点を業務に加える能力は比類なきものでした。リプトン氏がIMFのために、また、私たちが支援する人々のために、なされたことすべてについて感謝したいと思います」

リプトン氏は「ゲオルギエバ専務理事とは、専務理事が世界銀行にいらっしゃった時から緊密に協力してきました。専務理事代行を務めている間、また、その後の数か月、ゲオルギエバ氏がIMF専務理事に無事に就任できるように円滑な移行を支えることができた点を喜ばしく思いました。私はIMFの役割を信じています。1981年からの8年間、職業人生の出発点で、また、筆頭副専務理事として2011年から、IMFで勤務できたことを光栄に思っています。IMFは加盟国、そして世界経済に貴重な貢献を行っている組織であり、これほど長く務められたことを嬉しく思います」と述べた。

アメリカ国籍のリプトン氏は、キャリアの出発点で、若いエコノミストとしてIMFで勤務し、8年間、新興市場国や貧困国における経済安定性の諸問題について取り組んだ。1989年から1992年には、当時ハーバード大学教授だったジェフリー・サックス氏とともに、資本主義体制への移行期にあったロシア、ポーランド、スロベニアの各国政府の経済アドバイザーを務めた。

1993年から1998年には、アメリカ財務省に勤務した。同省の国際問題担当の次官補および次官として、アジア金融危機対応と国際金融システムの現代化に主導的役割を果たした。

リプトン氏はこれまでにムーア・キャピタル・マネジメントに5年間勤務したほか、シティグループのマネージング・ディレクターを務め、グローバルカントリーリスク管理の責任者であった。2011年からIMFで再度勤務する前には、クリントン米大統領特別補佐官、米大統領府国家経済会議・国家安全保障会議の国際経済問題担当局長を務めた。ウッドロー・ウィルソン学術センターとカーネギー国際平和財団にも在籍した。

リプトン氏の後任選出プロセスが間もなく始まる予定である。

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