2018年  対日4条協議終了にあたっての声明

2018年9月28日

日本経済は潜在成長率を上回るペースで成長を続けているが、昨年よりも下振れリスクが高まっている。さらに、人口動態による逆風が強まるにつれて、マクロ経済的な課題も増えている。アベノミクスの戦略は今も適切ではあるが、リフレーションを実現し、潜在成長率を高め、公的債務を安定的に推移させるためには、さらに力強い政策が必要になっている。これらの目標を達成するためには、包括的で信頼性が高く、調整が取れた取り組みが必要であり、(1)具体的な中期的財政枠組み、(2)労働、製品市場ならびに企業改革に向けた意欲的な取り組み、(3)明確なフォワードガイダンスを伴う緩和的な金融政策の継続が含まれる。また、金融の安定性を保つために、金融部門にかかる政策の強化も実施されるべきである。

最近の経済動向と経済政策
日本経済は、2018年は1.1パーセントと潜在成長率を上回るペースでの成長が見込まれるが、物価上昇率は低いままである。年初に一時的な減速を見せた後、内需は第2四半期に入って回復した。2018年の実質GDP成長率は、堅調な外需に支えられ、潜在成長率を上回る1.1%になると予測される。エネルギー価格の高まりを受けて、総合インフレ率とコアインフレ率ともに上昇の勢いを見せ始めたが、日本銀行の2%目標を大きく下回る状態に変わりはない。

所得収支黒字が拡大した結果、2017年の経常黒字は若干の増加が見られた。所得収支の黒字は相当大きいが、日本が多額の対外純資産を抱えていること、そしてその純収益率が高いことに起因しており、経常黒字の大半(2017年は約90%)を占めている。経常黒字は対GDP比で2017年の4.0%から2018年には3.6%に減少することが予測されているが、これは財貿易収支と所得収支の黒字がともに縮小することを反映している。2017年末と比較すると、2018年1月から7月にかけて実質実効ベースでわずかに円高が進行した。2018年の経常収支予測は、2017年の対外部門評価と同様、中期的なファンダメンタルズと望ましい政策と概ね整合的な水準にあると暫定的に評価されている。この経常収支の評価に基づくと、2018年の実質為替レートも、中期的なファンダメンタルズと望ましい政策と概ね整合的な水準にあると暫定的に評価されている。

今年6月に公表された政府の「新経済・財政再生計画」では、財政枠組み強化に向けた進捗は限定的であった。日本政府は基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化する時期の目標を2020年度からより現実的な2025年度へと先送りした。しかし、財政枠組みは依然としてGDPと生産性の伸びについて比較的楽観的な見通しに依存している。重要なのは、現在の財政枠組みは社会保障支出の増加に対処し、債務持続性を維持するための長期的な計画が欠けている点である。政府は2019年10月に予定されている消費税率の2%の引き上げに向けたコミットメントを再確認しているが、税率引き上げに関する影響緩和策はまだ具体化されていない。

構造改革の進捗状況にはばらつきが見られる。働き方改革法が成立したが、生産性向上と賃上げの効果をどの程度持つかは、今後どのように施行されるかにかかっている。この中には、労働者間の賃金格差が正当化される理由を示す同一労働同一賃金ガイドラインも含まれる。労働力の供給増では進捗が見られており、女性や高齢者の労働参加率は上昇傾向にあり、外国人労働者も増えている。しかし、正規労働に就く意欲を損なうような税制・社会保障制度上の障壁の更なる撤廃に向けた取り組みは、この1年間、政策議論から取り残されてきた。規制緩和の進捗は鈍い。対照的に、コーポレートガバナンス・コードの改訂並びにガイドラインの策定が行われたほか、日本と欧州連合(EU)の間の貿易協定や、環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP)など、貿易改革も加速している。

金融政策は引き続き緩和的であるが、低金利環境は金融システムにかかる問題を悪化させている。日銀は2016年にイールドカーブ・コントロールを導入して以来、インフレ目標達成に向けて一層忍耐強いアプローチをとってきている。債券利回りは比較的安定しており、一方で日本国債の買い入れへの依存度を減じたことで、緩和スタンスの持続可能性が高まった。7月の金融政策決定会合において、日銀は長期金利についてより柔軟性を許容し、金利のフォワードガイダンスを導入することで、金融政策枠組みを更に強化した。しかしながら、低金利環境は、人口動態と相まって金融機関の収益性を悪化させており、利回り追求の動きを促している。この結果生じるリスクは長引く可能性が高く、地域金融機関にとってとりわけ大きな問題となることが見込まれる。

見通しとリスク
消費税率の引き上げを予定しているにもかかわらず、経済成長の基調は堅実であることが見込まれる。消費税率の引き上げは、大いに必要とされている税収増をもたらすものの、効果的な影響緩和策がなければ、民間消費の変動をもたらすことが見込まれる。消費税率引き上げの影響は2019年以降も残り、2020年の消費と経済成長全般にマイナスの影響をもたらすと予測される。中期的には、経済成長率は潜在成長率へと収斂し、現在わずかにマイナスの需給ギャップも縮小すると予測されている。物価上昇率は、消費税率引き上げに伴って2020年に大きく増加し、中期的に上昇基調で推移するものの、日銀の目標を下回る水準にとどまるものと見込まれる。

下振れリスクが高まっている。世界経済の見通しと同様、リスクは下方に傾いている。

短期的なリスク
2019年に予定されている消費税率引き上げの結果、民間消費と投資が予測より急激に変動した場合、短期の成長の勢いをそぎ、財政健全化を更に遅らせるかもしれない。世界的な需要が予想よりも伸び悩み、貿易や地政学的な緊張による不確実性が高まると、成長が阻害され、円高と株式市場におけるショックを引き起こし、新たなデフレリスクをもたらす恐れがある。さらには、世界の金融環境が無秩序に引き締まると、金融機関が株価急落や日本国債の利回りの急上昇の影響を特に受けやすい中では、マクロ金融的なリスクが増大する。外貨調達コストが高まると、国際的に活動している金融機関の収益性がさらに圧迫される可能性がある。

中期的なリスク
他の先進国・地域の中央銀行が金融政策を引き締める中、日銀が緩和的な金融政策を継続することで、地域金融機関を中心に金融機関の過度なリスクテイクを促す可能性がある。地方銀行や生命保険会社が低金利環境と不利な人口動態に適した事業モデルに移行しなければ、事業継続性が中期的に脅かされる懸念がある。財政の持続可能性への懸念と債券市場のストレスは、金融システムと実体経済に負の影響を及ぼしかねない。

課題と経済政策上の優先事項
アベノミクスが6年目に入り、相当な成果は出ているものの、新鮮な目で残されている課題を見直す必要がある。プラス面では、失業率は過去25年間で最も低く、財政赤字は半減している。雇用は大きく増え、女性の労働参加も相当進んできている。デフレのリスクは後退し、企業が保有する現預金は史上最高水準に達している。しかしながら、物価上昇率は日銀の目標を大きく下回っている。また、財政面では公的債務は持続可能な道筋には戻っておらず、家計の所得は伸び悩んでいる。こうした課題は日本社会で高齢化が進み、人口が減少する中で、さらに難しいものになっていく ―― 日本の人口は今後40年に25%減少すると予測されている。労働力の減少と高齢化が進み、消費へのシフトが起こる中で、人口動態は成長と生産性を押し下げる。その一方で、高齢化に伴う歳出増と課税ベースの縮小によって、財政面での課題が増幅される。さらに、労働市場の硬直性によって生産性の伸びが抑制されており、また、需要刺激策が実質賃金や物価に与える波及効果が阻害されている ―― 金融政策の伝播が妨げられ、財政出動の効果が出にくくなっている。

アベノミクスの戦略は今も適切ではあるが、さらに力強い政策、信頼できる政策が必要になっている。アベノミクスがその力を完全に発揮できるようにするためには、3本の矢を強化し、それぞれが互いを支えあうものにしなければならない。具体的には下記の内容が求められる。

財政政策
短期的には、財政政策と所得政策が日銀のリフレーションに向けた努力を支え、構造改革の実現に寄与するものでなければならない。現実的な経済成長予測に基づいた、信頼できかつ漸進的な中期的な財政健全化計画は、短期的には財政余地を作り出す上で役立つであろうし、債務の持続可能性を確保し、人口動態がもたらす費用の問題に政府が対処できるという国民の信任を高めることになる。

構造改革
信頼できるマクロ構造改革が、長期的な経済成長を引上げ、公的債務を安定させるためには不可欠である。信頼できる改革プログラムによる心理面や期待面への影響が、デフレ効果を避ける上で鍵となる。また、自然利子率が上昇し、賃金と物価の相互作用が再び高まることで、金融政策がより効果的に波及するようになれば、物価上昇の支えとなる。

金融政策と金融部門政策
緩和的な金融政策スタンスが維持されるべきであるが、明確なフォワードガイダンスと金融政策枠組みの信頼性向上がインフレ期待の高まりに寄与できるだろう。さらには、金融部門政策の強化によって、人口動態による逆風や低金利の長期化に伴う金融リスクを軽減しうる。これは、結果として日銀がより長期にわたり緩和スタンスを維持することを可能にしうる。

財政政策
短期的には財政の引き締めは避け、むしろ2019年と2020年については、予定されている消費税率引上げを成功させるために中立的な財政スタンスを維持すべきである。政府は2019年10月に消費税率引き上げ向けたコミットメントを再確認しており、これは大いに必要とされている税収増をもたらす。しかし影響緩和策なしでは、2018年の補正予算の効果の剥落と消費税率引き上げの実施を受けて、2019年と2020年の財政スタンスは景気抑制的になる。したがって、構造改革がより迅速に前進するよう支えつつ、短期的にリフレーションを支え、成長の勢いを強めるための施策を実行すべきである。

2019年の消費税率引き上げがもたらす影響の緩和
2019年10月の消費税率引き上げが消費にもたらす負の影響を和らげるために、一時的な影響緩和策が慎重に設計されるべきである。影響緩和策は特に自動車や住宅といった耐久財の消費に対する懸念に対応するものであるべきだ。影響緩和策の時期と内容に関する明確な対外コミュニケーションは、不確実性に起因する負の影響を軽減することにつながる。

所得政策の強化、公共料金の引き上げ
消費税率引き上げが物価に与える影響を反映するためにも、企業が賃金を引き上げる税制上のインセンティブの強化、最低賃金の更なる引き上げ、及び政府が管理する賃金や社会給付の増額が必要である。加えて、リフレを支えるため、コストをより反映するかたちで公共料金の価格設定メカニズムの改革が検討されるべきであるが、同時に低所得世帯向けの保護策が導入されるべきである。

政策の不確実性を減らし、人口動態がもたらす課題に対処し、債務持続可能性のリスクを軽減するために、信頼できる中長期的な財政枠組みが必要である。しっかりと具体化された中期財政枠組みは、景気の下振れショックに対応するための財政余地を強化する。財政枠組みは、独立性が高く、現実的な経済見通しと予算予測の評価にいっそう依拠する必要がある。また、財政健全化施策を明確化し、補正予算の利用を制限するべきである。例えば、独立した財政機関は重要な役割を果たしうる。成長を守りつつ、債務が安定的に推移するようにするために、中期的な財政健全化には2021年以降、構造的なプライマリーバランスを対GDP比で1年に0.5%程度改善するという段階的なアプローチを盛り込むべきである。重要な施策は次のとおりである。

消費税率の10%超の水準への漸進的かつ安定的な引上げ
増大する社会保障費をまかない、債務持続性のリスクを下げるために、財政健全化は消費税率を少なくとも15%まで段階的に引き上げることを中心として進めるべきである。消費税率を10%超の水準へと引き上げる際には、単一税率の仕組みを維持するべきである。これは効率性を高め、コンプライアンスコストと行政コストを下げ、消費税の歳入を増やす能力を支えるためである。

医療改革
医療費総額を抑制する施策は、意味のある歳出削減を実現するという目的と公共の福祉を維持するという目的との間でバランスをとり、主には効率性の改善に力点を置くべきである。医療費の自己負担割合を増やすことは、将来世代の財政負担を軽減する一助にはなるが、低所得世帯の保護措置が施策に含まれるべきだ。

所得格差への対応
社会保障費を抑制するための改革は、高齢者の中で最も不利な立場にある人々を保護しなくてはならない。さらに、男女格差の解消を進めるために、財政政策は女性の雇用機会を支援する一方で、正規雇用や常勤で就労する意欲を損なう税制・社会保障制度上の障壁を撤廃するべきである。

構造改革
アベノミクスの枠組みがさらに強力なものとなるには、生産性を高め、労働供給を増やし、投資を促進するための改革施策に大きな重点が置かれなければならない。こうした施策の導入は、潜在成長率や生産性、将来の所得を高める上で非常に重要である。下記に概要を記載した構造改革が信頼を得るかたちで実行に移され、同時に緩和的な金融政策スタンスが維持され、公的債務の安定化が図られることで、実質GDPを今後40年間で最大15%程度押し上げることが可能になるだろう。改革プログラムにかける政府の強いコミットメントが、信任の消費や投資に与える効果を通じてリフレーションを支える鍵となる。

生産性と労働供給を促進する労働市場改革
この分野での改革が最大の効果を生む。契約に関する改革を含め、非正規雇用の労働者に能力開発面とキャリア面での機会を提供することは、こうした労働者の生産性と実質賃金の向上に寄与するだろう。同一労働同一賃金に関する法改正は、職務記述書の活用と報告の枠組みの強化によって補完することで、その効果が高まる。女性や高齢者、外国人の労働参加の促進によって、日本の人口動態の影響を一部相殺することができるだろう。常勤や正規労働者としての就労意欲を損なう税制・社会保障制度上の障壁を取り払い、保育施設や介護施設の利用可能性を高め、男女賃金格差の縮小を進めることで、女性の労働参加率は向上しうるだろう。過度な残業を減らし、生産性に報いる労務管理を奨励することで、生産性と労働参加を更に高めることが可能になる。また、定年を設定する企業の権利を廃止することも同様の効果を持ちうる。

生産性と投資を押し上げるための製品市場改革や企業改革
事業持続性がない中小企業の撤退と、より潜在力のある企業の参入の促進、信用保証制度の対象範囲の縮小、中小企業による代替的な資金調達源の活用奨励、中小企業による研究開発投資支援、さらに高い成長力を秘めた企業の事業承継支援は、生産性向上につながる。規制緩和の継続は生産性と投資の押し上げに有益だろう。こうした施策には、参入障壁の引き下げ、通信やガスなど一部の産業で既存企業に対する保護の撤廃、専門的サービス業の規制緩和、経済特区での規制緩和加速が含まれる。コーポレート・ガバナンス改革の一層の深化は、内部留保の活用を進め、投資を促進し生産性を高めるだろう。また、自動化と人工知能(AI)活用の普及も、生産性向上に資する。

投資と成長を強化するための貿易自由化と対内直接投資促進
多国間貿易協定において関税障壁と非関税障壁の更なる撤廃を進めることが、日本の投資と成長を押し上げるだろう。

金融政策と金融部門政策
日銀は長期金利目標を維持し、インフレ期待と政策の信頼性を高めるべきである。最近、日銀が緩和的なスタンスをより持続可能なものにすることに重点を置いていることは適切であり、インフレ目標の実現に向けたより忍耐強いアプローチへの移行を補完するものである。しかしながら、インフレ期待を恒久的に押し上げるために、市場とのコミュニケーションと政策の信頼性を改善するために、更なる取り組みができるであろう。具体的には、長期金利目標についてのフォワードガイダンスとインフレ目標の関係についてより明確化しうるほか、日本国債買入れに関する量的な目安は廃止しうる。さらには、政策の信頼性を高めるために、日銀スタッフによるベースライン予測を、政策的な前提条件とともに公表することで、より全面的なインフレ目標の枠組みへと近づくことを検討すべきである。これは市場とのコミュニケーションを強化し、早期の正常化に関する憶測が何度も表面化することを防ぐ上でも有用であろう。

人口動態による逆風と低金利の継続がマクロ金融的な課題を生み出している。金融の安定性を保ち、システミックなリスクの蓄積を防ぐために、金融庁はマクロプルーデンス枠組みを含め、金融監督の更なる強化に努めるべきである。金融庁の新しい監督枠組みは歓迎できるもので、金融機関によるより洗練された活動と足並みを合わせるための一助となるだろう。また、金融庁は、金融機関(とりわけ地域金融機関)がリスク管理能力を強化し、人口動態にあわせて事業モデルを転換することを奨励していくべきである。これには、収入源の多様化や、ITとフィンテックの活用改善、再編が含まれるだろう。最後に、危機管理・破綻処理の枠組みの強化は、公的支援に対する期待を減らし、持続可能性がない金融機関の円滑な退出を促すだろう。

金融機関がコスト削減と効率性向上のためにフィンテックを活用する取り組みを、金融庁はさらに支援することができるだろう。クリプト・アセット取引所を含むフィンテック企業と地域金融機関のサイバーセキュリティを強化する施策がとられるべきである。金融庁は、人材やIT資源を十分に確保する必要がり、規制コスト削減のためにRegTech(レグテック)の利用推進を継続するべきである。また、国際的な監督面での協力強化は、規制の差異を悪用した裁定を予防し、規制回避を防ぐ上で有益となるだろう。

波及効果(スピルオーバー)と強靭性
多国間主義の継続的な推進と、より大胆な国内政策が、貿易紛争の潜在的な激化によるものを含めた国外から国内への波及効果を緩和する上で必要である。国際的な統合から後退する動きが世界的に広がれば、日本の純輸出や投資、成長を押し下げるだろう。潜在的な波及経路は、グローバル・バリューチェーンを通じた直接・間接的な影響や金融部門への負の波及効果を含む。もし自動車や自動車部品の貿易に影響が生じた場合には、日本が被る影響はさらに大きなものになるだろう。多国間主義をさらに推進する上での日本のリーダーシップは、貿易紛争の激化がもたらしうる影響の緩和に寄与しうる。一方で、成長と内需を支えるための、より大胆で信頼できる構造改革と中期的な財政健全化計画は、対外不均衡の増加につながりうる海外情勢に起因する国内への波及効果を緩和することに資するだろう。

日本が緩和的な金融政策を継続するもとで、世界的に金利が上昇していくことは、日本から国外への波及効果を増幅しうる。日本の金融緩和は、日本からの対外直接投資や機関投資家による海外での投資の多様化によって、世界的な金融環境の引き締まりの相殺に貢献している。しかし、日本で金融政策の正常化が早期に起こるという市場の憶測は債券市場に混乱をもたらし、ボラティリティを高める。さらには、世界と日本の金利差が拡大することは、投資家にリスクヘッジを行わないまま円キャリー取引を行うことを促しうる。貿易や地政学的な緊張に伴い世界的な不確実性が高まることによって、こうした円キャリー取引が急激に巻き戻されると、大幅かつ急激な円高を招く可能性があり、リフレーションに向けた日銀の努力が損なわれるかもしれない。


IMF代表団は日本当局及び東京、仙台、大阪の協議参加者の歓待と率直かつオープンな協議に感謝する。

 
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