IMF、中国人民元を含む新規SDRバスケットを導入、新たな通貨量も決定
2016年9月30日
- 中国人民元(RMB)、10月1日付けで5番目の通貨としてSDRバスケットに採用
- ラガルド氏、SDRバスケットの拡大は、世界経済で起こっている変化を反映しているもので、IMFにとり大きな変化
国際通貨基金(IMF)は本日、中国人民元(RMB)が加わった新たな特別引出権(SDR)の評価バスケットの導入を発表した。また、新たな評価期間のSDRの価値を決定する通貨量も新たに決定した。
2015年11月30日に理事会が承認したように、2016年10月1日付けで、RMBは自由利用可能通貨と判断され、米ドル、ユーロ、日本円、英ポンドとともにSDRバスケットの5番目の構成通貨としてSDRバスケットに加わることになった( プレスリリースNo.15/543 )。また理事会は同時に、各通貨の比重を、以下のように決定した。米ドル-41.73%、ユーロ-30.93%、人民元-10.92%、日本円-8.33%、スターリング・ポンド-8.09%。
新規SDRバスケットの発効に伴い、クリスティーヌ・ラガルドIMF専務理事 は以下のように述べた。「SDRバスケットの拡大は、SDR、IMF、中国及び国際通貨制度の進化において重要であり歴史的転換である。新たな通貨がバスケットに加わるのは、ユーロのバスケット採用以来初のことであり、IMFにとり大きな変化である。これは、RMBの国際通貨制度における役割の重要性が増していることを反映している。
人民元の採用は、同国の通貨、為替、及び金融システムの改革努力の前進を反映しているものであり、金融市場のインフラの自由化と改善の進展を認めるものだ。適切なセーフガードを伴ったこうした努力の継続と深化は、より堅固な国際通貨・金融システムを作り、それは転じて中国と世界の経済の成長と安定を支えることになろう。
また、これは、世界経済で起こっている変化も反映している。IMFはこの変化の過程で重要な役割を果たしており、人民元のSDRバスケットの採用は、これまで示してきたようにIMFが変化に対応する用意があることを示している」
加えて、理事会は本日、2016年10月1日付けで、SDRの価値を以下の各通貨量の価値の合計とすると決定した。
米ドル |
0.58252 |
ユーロ |
0.38671 |
人民元 |
1.0174 |
日本円 |
11.900 |
スターリング・ポンド |
0.085946 |
上記通貨量は、SDRの米ドルでの価値が、新規バスケットのものと本日のSDRの価値と等しくなるような手法で算出される。また、本日から過去3カ月間の為替レートの(2016年7月1日~9月30日)平均を基準に、SDRの価値における各通貨のシェアは、2015年11月30日に理事会が承認した比重に即して決められる。
SDR価値バスケットの各通貨量に関する理事会の決定は、SDRの評価方法の最新の見直しの結果を実行するうえでの最後の措置である(プレスリリースNo.15/543)。
SDR 金利
SDR金利は10月7日に決定され、2016年10月10日の週から適用される。これは、新規SDR評価バスケットが反映されかつRMBの代表金利が含まれる初の金利である。SDR金利の前週からの変化は、SDR評価バスケットの通貨構成と通貨のシェアの変化、及び構成金融商品それぞれの金利の変化を反映する。
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