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IMF、インフラ・ガバナンスを改善する評価ツールを国際フォーラムで推進

[2019年11月21日、東京] 国際通貨基金(IMF)の古澤満宏副専務理事は昨日、約20のアジア諸国の代表がインフラ・ガバナンスと人口問題について議論する東京財政フォーラムに登壇し、多くの場合インフラ投資は非効率だが、効率性ギャップは解消できると指摘しました。

古澤は第5回東京財政フォーラムで基調講演を行い、質の高いインフラ投資について議論を展開させました。同フォーラムは、IMF、財務省、アジア開発銀行研究所(ADBI)によって、日本が議長国を務めるG20イベントとして共催されたものです。

古澤はまず「私たちの分析によれば、インフラ支出は多くの場合、非常に非効率です。各国はインフラ投資による潜在的リターンを平均で約30%失っているのです」と述べ、これは道路を10キロ建設できる資財を投じて、7キロの道路しか建設できていないということだと説明しました。

また「公共投資支出の質を向上させることに注力すれば、各国は、より多くの、そしてより良い道路、学校、病院といった大きな恩恵が期待できるのです」と述べ、各国がインフラ投資の計画、配分、実施などのインフラ・ガバナンスを強化すれば、「効率性ギャップを3分の2程度解消することができる」と語りました。

さらに「公共投資管理評価(PIMA)」と呼ばれるIMFの評価ツールに触れ、同ツールはインフラ・ガバナンスの評価、長所と短所の特定、改革のためのアクションプラン策定に役立てられ、各国が効率性ギャップを克服することを支援できると述べました。IMFは、アジア12か国を含む世界58か国でPIMAを実施してきています。

同フォーラムでは、インドネシアやモルディブを含む数か国が、PIMAの提案に基づき具体的な改革計画を設計した経験を参加者と共有しました。

参加者はまた、環境及び社会的配慮などの他のインフラ関連問題について議論し、自然災害や気候変動に対応するため、アジア地域でより強靭性のあるインフラを構築するための制度的枠組みを見直しました。

2日間の同フォーラムには、アジア諸国の政府高官約70人が参加し、質の高いインフラ投資と人口高齢化という2つのG20の優先事項に議論の焦点を当てました。

フォーラム2日目には、参加者は高齢化とその政策の持つ意味に注目し、高齢化のマクロ経済的影響の多面性について議論しました。退職年齢の引き上げや社会保障制度の改善など、平均寿命の延びに適応するための制度改革の重要性について、多くの参加者が同意しました。新興経済圏出身の参加者は、高齢者を支援する社会保障制度を確立する前に、高齢化問題に直面する難しさを共有しました。

参加者は積極的に議論し、様々な意見や実践的知識を交換しました。

 

写真:財務総研提供