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ラガルドIMF専務理事、G20で持続可能な世界経済に向けた協力強化を呼びかけ

  

[2019年6月29日、大阪] IMFのクリスティーナ・ラガルド専務理事は今日、大阪で開催されたG20サミットの閉幕を受け、より持続可能な世界経済実現のため、世界の指導者に対して貿易障壁の削減と国際協力の強化を促す声明を出しました。

ラガルドは、G20サミットに参加し、世界経済における喫緊の問題と共通の課題について議論しました。各国首脳が国際課税からデジタル経済、気候変動まで様々な課題の解決策を検討しましたが、米中貿易摩擦とその影響に関する世界的な懸念が二日間のサミットに暗い影を落としました。

サミット閉幕後、G20諸国首脳はすべての人の利益のため、世界経済の成長促進と、技術革新の推進に共に取り組むとの宣言を発表。一方、ラガルドは「世界経済は難局にあり、見通しリスクは依然として深刻」と語り、改めて懸念を示しました。また、米中間の貿易交渉の再開を歓迎しながらも、既に課された関税は世界経済を抑制し、将来の不確実性を生み出している点を指摘しています。

「優先事項は、貿易の障害(新旧の関税など)を減らし、貿易関係の緊張と歪みの根源に対処することです。今日の世界に適した貿易システムが求められています。そのためには、農業や産業補助、電子商取引などの分野を含む、国際規則のギャップに対処することが必要です。」

日本で三番目に大きな都市であり、関西地域の中心にある大阪での滞在期間中、ラガルドは加盟国との関係を促進し、地元の人々の声に耳を傾けながら、IMFの見解とG20のアジェンダを推進していく方法を紹介しました。

また女性のエンパワーメントに関する特別イベントでは、他の国際機関のリーダーに加わり、ジェンダー関連問題へのIMFの貢献を発表しました。日本の安倍晋三首相に、ジェンダーに関するIMFの取り組みをまとめた冊子を届け、女性の経済的エンパワーメントが世界経済の成長に果たす重要性を示しました。

また公式セッションとサイドイベントの間には、G20諸国の首脳らとの対話や二国間会議に参加。二日間で、フランスのブリュノ・ル・メール財務大臣、アルゼンチンのマウリシオ・マクリ大統領、セネガルのマッキー・サル大統領、国連事務総長のアントニオ・グテーレス氏らと会談し、世界経済の差し迫った問題について意見を交換しました。またカナダ、エジプト、インドネシア、イギリス、アメリカの指導者らとも会話を交わしました。

ラガルドはまた、安倍首相主催の公式歓迎レセプションにも参加し、文化パフォーマンスや大阪料理などのおもてなしを楽しみました。

サミット閉幕後、ラガルドはホスト国の日本国政府、大阪市、そして日本の人々のホスピタリティーとサミットの開催に深い感謝を表明しました。