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IMFの対加盟国経済審査報告書の読み方を民間セクターに伝授
[2019年9月2日、東京] IMFアジア太平洋地域事務所(OAP)は今日、IMFの経済サーベイランスに対する民間セクターの理解を促進するため、金融会社や商社に勤める実務家・専門家向けの公開セミナーを開催。IMF加盟国の経済・金融政策についての年次審査報告書(いわゆる4条協議報告書)をいかに要領よく読むかといったノウハウを紹介しました。
4条協議報告書は、189の各IMF加盟国の経済状況に関する報告書で、IMF職員による政策提言が含まれています。毎年、IMFエコノミストは各加盟国を訪問し、財政、金融、通貨政策を見直し、持続的な経済発展に向けた実践的な政策提言を行い、分析結果と提言内容を報告書にまとめます。この協議は、IMF協定第4条の規定に基づき実施されます。
昨年、OAPは民間セクター向けに二回の非公開セッションを開催。今回のセミナーは、その際に行われた4条協議報告書の読み方に関するプレゼンテーションを広く民間セクター向けに発展させたもので、銀行や生命保険会社、証券会社、商社など、通商及び金融会社の関係者らが参加しました。近年ベトナムが日本の投資家にとってますます魅力的な投資先となっていることを受け、ベトナムの4条協議報告書が事例として取り上げられました。
鷲見周久OAP所長は冒頭のあいさつで、「私たちの事務所は、4条協議を通じてIMFのサーベイランスに参加し、アジア地域全体の地域経済状況をモニターしています。4条協議報告書は、私たちのサーベイランスの重要な成果物です」と、強調しました。
セミナーに登壇した4名のOAPエコノミストは、IMFの概要、4条協議の基本内容と重要なポイントを見つけるためのヒント、IMFの債務持続可能性分析、IMFの対外セクター評価手法である対外バランス評価(EBA)モデルについて説明。さらに、IMFウェブサイトや、最近改訂見直しが発表された「世界経済見通し」(WEO)を含む旗艦出版物、edXで利用できるIMFの無料オンラインコースなどを紹介しました。
同セミナーには、大きな関心を寄せた55名の専門家・実務家らが出席。Q&Aセッションでは、ポリシーノートの作成や訪問時期の決定など、4条協議ミッションの準備や理事会での議論に関する質問が出ました。また現在のベトナムにおける経済発展に関する質問をした参加者もいました。終了後のアンケートに回答した参加者の91%は、セミナーの内容に満足しており、IMFとその出版物について、より詳しく知りたいと答えました。OAPは、今後もこうした実務家向けセミナーを開催する予定です。