化石燃料補助金、過去最高の7兆ドルまで急増
IMF Blog, August 24, 2023
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- 化石燃料補助金、過去最高の7兆ドルまで急増
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Bibliographic details
- Authors: Simon Black, Ian Parry, Nate Vernon-Lin
- Published: August 24, 2023
主な所見と数値
- 化石燃料の補助金は昨年に過去最高の7兆ドルに拡大した。
- 補助金は世界GDPの7.1%に相当する。
- 補助金規模は、諸国政府の年間教育支出(世界GDPの4.3%)を上回り、医療支出(10.9%)の約3分の2に相当する。
- 直接補助金(供給コストの過小請求分)は1.3兆ドルで、過去2年間で化石燃料の補助金は2兆ドル増加した。
- 消費者が負担しなかった昨年の環境コストは5兆ドルを上回った。
- 「ネイチャー」で示された研究水準で気候への損害を評価すると、環境コストは2倍近くに膨れ上がる。
- 化石燃料の直接・間接補助金を廃止すれば、年間160万人の早死を予防し、政府に4.4兆ドルの歳入をもたらす。
分析のポイント
- ロシアのウクライナ侵攻とパンデミックからの経済回復に伴う世界のエネルギー価格急騰を受け、各国政府が消費者と企業を支援した結果、補助金が急拡大した。
- 大部分の補助金は間接的であり、その主因は石炭やディーゼル燃料などの化石燃料価格に環境コストが反映されにくいことにある。
- 発展途上国での補助金増加の見込み:発展途上国は発電所、工場、自動車の汚染度が大きく、汚染源の付近に生活・就労する人口が密集しているため、消費が先進国の水準に近づくにつれて間接補助金は増加する。
- 世界気象機関の発表によると7月が観測史上最も暑い月となり、人為的な気候変動への対応の緊急性が高まっている。
政策提言と期待される効果
- 直接補助金の廃止と補正的な課税の導入により、燃料価格は上昇し、企業と家計は消費や投資の意思決定に環境コストを考慮するようになる。
- 期待される効果:
- 世界の二酸化炭素排出量の大幅な削減。
- 空気の浄化に伴う肺疾患・心臓疾患の減少。
- 政府に対する財政余地の創出。
- 富裕層が貧困層よりも補助金恩恵を受けていることから、所得の再分配につながる可能性。
- 財政運用に関する提言:
- 歳入増加分の一部は脆弱な世帯のためのエネルギー価格上昇補償に充てるべきである。
- 残りは労働や投資に対する減税、教育、医療、クリーンエネルギーといった公共財への資金として活用する。
- 政策設計上の注意点:
- 補助金廃止は複雑であり、恩恵を強調した包括的な政策パッケージの一環として、改革の設計から伝達、実施までを明確かつ慎重に進める必要がある。
タイミングと結論
- 世界エネルギー価格が低下し、排出量が増大する局面において、化石燃料の直接・間接補助金を段階的に廃止することが、健全で持続可能な地球へ向かう最適な時期である。
出典: IMF ウェブサイトのページ「化石燃料補助金、過去最高の7兆ドルまで急増」
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