ファクトシート - 2009年2月

IMFのクォータ(出資割当額)


IMFの財源はほぼ全てクォータ(出資割当額)の払い込みにより賄われます。IMFの各加盟国には、世界経済における相対的規模をおおむね反映したクォータが割り当てられます。加盟国のクォータはIMFに対する資金的義務の最高限度額と投票権を決めるものであり、その国のIMF融資の利用限度にも影響します。


クォータ及び投票権の改革

2008年4月28日に、ほぼ2年にわたって検討されていたクォータと投票権の大規模改革*がIMF総務会によって合意されました。この改革はクォータをより経済実体に見合ったものにするとともに、IMFの政策決定における低所得国の参加と発言力を高めることを目指しています。IMF加盟国は、2006年9月にまず中国、韓国、メキシコ、トルコの4カ国のクォータを特別に引き上げることに合意していました。2008年4月には総務会はより広範な包括改革案を承認しました。同改革案には、新クォータ算定方式についての合意、54カ国を対象とした新方式に基づく第二段階の特別増資割当(アドホック・クォータ)の引き上げ、低所得国の投票権を高めるために基礎票を3倍増とすること、さらに理事会におけるアフリカの二つの選挙母体に理事代理を追加すること、などが含まれています。さらに、この改革は5年毎にクォータと投票権シェアの再調整を行うことを見込んでいます。

クォータの決定方法

ある国がIMFに加盟すると、経済規模や特徴がおおむね同等であるとみなされる既加盟国のクォータ*と同範囲内で当初の出資割当額が定められます。各加盟国の相対的な地位を評価するためにIMFは一定の算定方式を用います。

クォータはIMFの計算単位である特別引出権(SDR)で表示されます。IMFの最大の加盟国は、371億SDR(約582億ドル)のクォータを有する米国で、最小の加盟国はクォータ310万SDR(約490万ドル)のパラオです。

クォータの機能

各加盟国のクォータはその国とIMFとの金融・組織上の関係について、基本的側面を以下のように示しています。

出資金加盟国のクォータはその国がIMFに提供する義務を負う財源の最高限度を規定するものです。加盟国はIMFに加盟する際、出資金を全額払い込まなければなりません。また、総額の25%まではSDRもしくは幅広く受け入れられる通貨(米ドル、ユーロ、円、英ポンドなど)で、残りは自国通貨で払い込む必要があります。

投票権数IMFの決定に際して、各加盟国が持つ投票権数はクォータにより概ね規定されます。IMFの各加盟国は250票の基礎票とクォータ10万SDR毎に1票の投票権を持ちます。したがって、米国は372,743票の投票権(全体の16.77%)を持ち、パラオは281票(同0.01%)を持つことになります。

融資の利用限度額加盟国がIMFから受けられる融資の額(アクセスリミット)はクォータを基礎に決められます。現行のスタンドバイ取極及び拡大信用供与措置では、加盟国は1年間にクォータの100%まで、また累積では300%まで借りることが出来ます。ただし、例外的な状況では限度額は引き上げられることもあります。

クォータの見直し

IMFの総務会*は定期的(通常は5年毎)に一般的なクォータの見直しを行います。クォータの変更は85%の賛成で承認される必要があります。主に一般クォータ見直しの際には、増資総額の規模および各加盟国へ割り当てられる増資額の配分の2点が検討されます。一般クォータ見直しは以下の2点を可能にします。第一に、加盟国の国際収支支援の必要性の観点から、そしてIMFが支援する際の資金能力の観点から、適切なクォータについて評価することができます。第二に、世界経済における加盟国の相対的地位の変化を反映させたクォータの増加が可能になります。第13次一般見直し*は2008年1月28日に行われましたが、総務会によるクォータの引き上げ提案はありませんでした。

一般見直し以外での特別増資はあまり行われません。ただし、2008年4月28日に了承されたクォータの引き上げについては、一般クォータの見直しの枠外で合意されたことから特別増資といえます。また、将来的にはIMFの流動性の必要に関係なく、この種の特別増資は一般見直しの際に検討されることが合意されました。世界経済における各加盟国のウエイトの変化に対応し、クォータの比重の少ない国のシェアを引き上げるよう、5年毎にクォータのシェアを調整する弾力的なメカニズムを導入することを目的としております。

IMFの一般クォータ見直し
クォータ見直し 議決採択日 増資額
(%)
第一次5年間隔 増資提案なし ---
第二次5年間隔 増資提案なし ---
1958/591 1959年2月および4月 60.7
第3次5年間隔 増資提案なし ---
第4次5年間隔 1965年3月 30.7
第5次一般 1970年2月 35.4
第6次一般 1976年3月 33.6
第7次一般 1978年12月 50.9
第8次一般 1983年3月 47.5
第9次一般 1990年6月 50.0
第10次一般 増資提案なし ---
第11次一般 1998年1月 45.0
第12次一般 増資提案なし ---
第13次一般 増資提案なし ---
[1]これまでのところ5年周期以外で行われた唯一の見直し

*リンク先の資料は現在のところ英文のみ閲覧可能




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